▼▼以下、北日本新聞より▼▼
食品スーパー「サンキュー」を展開する三喜有(さんきゆう)(南砺市寺家新屋敷・福野、中西一夫社長)と、NTT西日本富山支店(富山市東田地方町)は、ネットスーパー事業で協業する。NTT西の情報端末を使い、三喜有が県内全域を対象に実施しているネットスーパーサービスを、パソコンを介さず自宅のテレビ画面から注文できるようにする。12月の開始を目指す。パソコン操作に不慣れな高齢者が利用しやすくなり、「買い物弱者」の支援につなげる。NTT西が県内企業と協業しサービスを提供するのは初めて。 (経済部・高木健成)
三喜有は2011年3月に「サンキューネットスーパー」を開設。同年6月に配達エリアを県内全域に広げた。午前9時までの注文で当日中に配達される。利用に必要な会員の登録者数は約2千人だが、子育てや仕事で多忙な若い世代や単身赴任の男性らが中心。パソコンでの会員登録や注文を敬遠しがちな高齢者には浸透しにくかった。
協業では、NTT西の情報端末「光BOX(ボックス)プラス」を活用する。端末にインターネット光回線を無線または有線でつなぎ、地デジ対応テレビと接続する。
三喜有のサービスは、テレビ画面上の専用メニューから呼び出す形で利用する。画面はパソコン版のサイトをテレビ用に調整して表示される。商品の支払いは代金引き換えやクレジットカード決済を選べる。光BOX本体(8800円)やネット接続料は別途必要となる。
自宅への光回線の敷設や光BOXの設置、注文に必要な初期設定や操作方法の説明を一貫してNTT西が担い、導入後の質問にも対応する。サンキュー店舗を軸に、NTT西の既存顧客にもPRする。
高齢人口の増加や冬季の積雪などから、買い物支援の重要性は増している。三喜有は「ネット事業はなかなか黒字化が難しいが、買い物支援策として浸透を目指す」としている。
NTT西が県内で提供する光回線サービスの契約数は約12万件で、今後の需要の伸びが見込みにくい状況にある。同社富山支店は県内企業との協業を打開策と位置付けており、今後も協業先を広げ、新たなネットの使い道を提案していく構えだ。